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執筆者の写真北島コウ

低価格なおすすめ電子契約サービスとは

更新日:4月15日

皆さん、こんにちは。

前回記事では、私人どうしが契約を結ぶ際にハンコ(印鑑)を押して締結している意味と、今後のデジタル化を進めていくに当たり、電子契約の位置づけや法的根拠などについて解説しました。

 

◇前回の記事「デジタル時代の契約とハンコのデジタル化」(2023/12/12)

 

今回は、いわゆる電子署名法の要件を満たしたおすすめ電子契約サービスを幾つかご紹介しようと思いますが、その前にまず電子契約サービスの仕組みについて簡単に説明したいと思います。

電子契約にハンコを押そうとしているイメージ写真

電子契約サービスにおける電子署名の方法

電子契約における電子署名の方法については、電子署名法2条1項に次のように記載されています。

第二条 この法律において「電子署名」とは、電磁的記録(略)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

第一号が本人性の要件、第二号が非改ざん性の要件ということですね。

ただ、これだけでは漠然としていてよく分からないことから、所管元であるデジタル庁ではこの内容に関するQ&Aを作成している他、サービス提供事業者からの照会に回答する形で、同法2条1項への適合性を明確化しています。

 

◇デジタル庁「電子署名」

この問題を詳しく述べると紙面が幾らあっても足りませんので、ポイントを下の図にまとめました。

多くの電子契約サービスでは「立会人型」という方式が採用されており、この方式は法2条1項に適合するものと認められています。

立会人型電子契約サービスの解説図(筆者作成)

この図のとおり、「立会人型」は契約相手方がサービスに加入する必要がないため、短期間で契約締結が可能で手軽という特徴があります。

その反面、相手方の本人確認はメールアドレス認証によるため、なりすましリスクがないとは言えないことから、その低減のため二段階認証(携帯電話などに確認コードを飛ばして認証する)を併用するなどの仕組みを、オプションで提供するものも多いようです。

電子署名を行った契約書PDFファイルをAdobe Acrobat Readerで開くと、「署名パネル」から電子署名が添付されていることやその有効期限などの属性情報を確認でき、内容に改変が加えられた場合もその履歴が確認できるようになっています。

 

さて、このような電子契約サービスは多数あるのですが、今回はその中から3つを紹介します。

最初に紹介するのは、「クラウドサイン」です。

クラウドサインのホームページから

◇CLOUDSIGN

 

国内シェアNo.1をうたう「クラウドサイン」

弁護士ドットコム株式会社という、文字どおり弁護士が創業したベンチャー企業が提供するサービスで、上記のデジタル庁の照会/回答でも筆頭案件として掲載されています。

セキュリティやサービス機能など、ハイクオリティな内容を提供している分、料金は一番安価なLightプランでも月額基本料11,000円(以下、金額は全て税込で表記)、契約1件ごとの送信料220円と、お高めの料金体系となっています。

なお、クラウドサインにおいては、契約書ファイルに印影を押すという考え方はありません。

前回記事でも書いたとおり、電子署名においては印影の有無は問題にならないからです。

毎月多数の契約を締結し、かつ外国企業との取引など慎重な締結を必要とするような大企業を中心に、採用するケースが多いものと思われます。

 

しかしながらこれでは中小企業様や、あるいは大企業であっても部署単位で導入するケースなど、契約件数が少ない場合には基本料が高過ぎるということで、もっとエコノミーなサービスは無いかと探してみたところ、2つ見つけました。

まず一つ目が、「freeeサイン」です。


freeeサインのホームページから

◇freeeサイン

 

freeeサインは小規模向けおすすめ電子契約サービス

クラウド会計サービスなどで有名なfreeeが提供する電子契約サービス。

法2条1項に適合したサービスであることが、デジタル庁の照会/回答でも確認できます。

会社規模や契約件数に応じて幾つかのプランが用意されていますが、個人事業主向けとされるスタータープランは、ひと月の契約送信件数は10件までに制限されますが、月額基本料1,078円(年額一括契約の月割)、契約1件ごとの送信料220円となっています。

freeeサインではハンコの印影を幾つでも登録できますので、契約書ファイルに印影を押すことで「見読性」を高めることも可能です(繰り返しになりますが、電子契約の効力には関係ありません)。

また、freeeサインでは、電子署名を添付しない「電子サイン」という方式も提供しており、例えば議事録の相互確認のように、契約書ほどの厳格性を求めないものにはこちらを利用することで、コストを抑えることも可能です。

(注)freeeサインの個人事業主向けスタータープランは、機能改定により電子署名ができなくなりました。詳しくはこちらから。

 

もう一つは、かつてはハンコの代名詞でもあったシヤチハタが提供する「Shachihata Cloud」です。


Shachihata Cloudのホームページから

◇Shachihata Cloud

 

「朱肉のいらない」シヤチハタが提供する電子契約サービス

こちらは実はデジタル庁の照会/回答案件に掲載されていないのですが、経済産業省の同様のリストに掲載されており、法2条1項に適合したサービスであることをシヤチハタにも個別に確認済みです。

料金は月額基本料550円~で、契約1件ごとの送信料不要、送信件数も無制限と激安なんですが、法2条1項に準拠した電子署名を行うにはタイムスタンプのオプション(月100件まで月額3,300円)を付ける必要がある点が要注意です。

1件当たり単価の従量制で設定してくれるといいんですけどねー。

ハンコのシヤチハタだけに、印影を登録することももちろん可能です。

 

いかがでしたでしょうか。

これからのデジタル時代、ペーパーレスの流れは止められませんので、こういった電子契約サービスの仕組みも理解し、揉めた場合に備えて、真正に成立したと推定可能な電子契約をいつでも締結できるよう、準備しておきたいですね。

freeeサイン、Shachihata Cloudともに、無料トライアルも利用できますので、使い勝手などを試してみてはいかがでしょうか。

それでは今回はこの辺で。

宜しくお願い致します。

 

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